Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第16章 僕達のバースデーソング②
雅紀side
「ちょっとちょっと、どうしちゃったの、2人して畏まっちゃって…」
この場合、嫌な予感しかしないのは、小さい頃からこの子達のことを見てるからだろうか…
「実はさ、翔さんからパパさんに折り入って頼みがあるみたいでさ…」
「いや、だから潤から頼んでくれって…」
「何で俺よ…。自分のことでしょ?」
「いや、だけどさ…」
ほらほら、こうやって擦り付け合ってるの見ちゃうとさ、やっぱり不安しかないんだよね(笑)
「あの…さ、どっちでもいいんだけどさ、俺も色々忙しいわけですよ…」
夕方に入ってる予約のケーキ…、もうすぐスポンジ焼けそうだし…
「だよな? ほら、翔さん早く言っちゃいなって…」
「わ、分かったよ…」
ふう…、漸くだよ…
「で、俺に頼みってのは?」
「実は…」
翔くんが潤に押し出されるように一歩前に進み、ゴホンと大袈裟に咳払いをする。
さてさて、何を聞かされるやら…
「あの…さ、それ本気で言ってるの…かな?」
顔を見る限り、本人大真面目なんだろうけど…
「本気だけど…」
やっぱりか(笑)
これは大変なことになったぞ…
それこそ仕事所の騒ぎじゃなさそうだな…