• テキストサイズ

Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第10章 俺達のスペアキー


潤が実家を離れ、一人暮らしを始めた。

正直、羨ましく感じないわけじゃないし、

「一緒に暮らさないか」

って言われた時も、本当は飛び上がる程嬉しかった。

二人で暮らせば…二人だけなら、誰に気兼ねすることなく、思う存分愛し合えるし、邪魔だってされることはない。

きっと凄く幸せなんだろうな、って…

それは先に同棲を始めた翔ちゃんと智を見てても良く分かる。

だってあの二人、そりゃたまには喧嘩もしてるみたいだけど、本当に楽しそうだから…

でも俺、やっぱりパパの傍を離れられないんだ。

パパに松岡さんていう恋人がいるのだって分かってる。

パパだって幸せになる権利がある、ってことも勿論…

でもさ、ファザコン、って思われるかもしれないけど、ずーっとパパと二人だったから、パパがいない生活なんて、考えられないし、考えたこともない。

だから潤の気持ちは嬉しかったけど、

「ごめん、もう少し待って?」

そう言うことしか、俺には出来なかった。

潤も、そんな俺の気持ちを理解してくれてるのか、無理強いすることは一切なく、ただ一言…

「待ってるから…」

って言ってくれた。

本当はさ、待つことが何より嫌いなくせにね?

やっぱ優しい奴だよ。
/ 628ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp