第5章 中島 敦 「看病」

『唯さんの料理食べるのって初めてですよね……？』

「あ…考えてみたら初めてだね。」

『そうですよね。』

「うん。初めての料理がお粥とか……なんか御免。」

『何で謝るんですか？』

「だって…付き合ってる人への初めての料理ってその人の好物を作ってあげたいって思っちゃうんだよね。」

『……僕は嬉しいですよ。』

「ん…？」

『好きな人が作ってくれた料理なら何だって嬉しいです。』

「……///あ、敦くんがそう云うなら善いけど。」

『あ、ああ！僕なんかが偉そうな事云って済みません！』

気分悪くさせちゃったかな

「気分悪くなんてならないよ。」

『……？』

何で僕の考えてる事……

「あれ、敦くん私の異能忘れた？」

『ん……？』

「本当に忘れちゃってるの？私の異能は人の心を覗けるんだよ。」

『あぁ！』

そうだ…彼女の異能は……

「そうだよ…敦くんって忘れっぽいよね。」

『じ、じゃあ、今迄僕の考えていた事……』

「ちょっとだけ判ってたかな。」

『…最悪だあ。』

僕の考えてた事って……変な事しかない…