第4章 3日目
シーツに全裸で埋もれていた朝、ジェイドさんはもう正装して起こしてくれた。
「やっと荷物が届きましたよ。」
にこっと笑いながら、私に取りに来るように促した。
ドアが閉まったのを確認すると、あまりの恥ずかしさが堪えきれなくなって、枕に1回顔を埋めた。
着替えてリビングに着くと、ジェイドさんの部下だと思われる人たちがチェストとドレッサーを組み立ててくれた。
「あ、ルルさんですね!おはようございます!」
「おおー!大佐の言うとおり、すっごい可愛いですね……」
「こらこら、じっくりと見るのは失礼ですよ。ルルさんだってやっとこの部屋に慣れてきているのに。」
「すみませんでした!これはあっちの部屋でよろしいですか?」
「そうですね。寝室の角にスペースがあると思いますのでそちらに。」
慣れた手付きで二人ともすいすいと家具を運んでいった。
物資輸送でもしているのか、角に当たらないように、歩幅を合わせて、など気遣いが常に感じられた。
「ではここで。」
「ルルさんの寝具はどうしてるんですか?」
「一緒に寝てますよ。」
「「え!?」」
「あ……。」
「良いではありませんか。いずれもしかしたら、伴侶になるかもしれませんし。」
爽やかすぎる笑顔でとんでもないことを言う。
顔が沸騰しそうだったので、私は、
「し、失礼しますっ!」
と言って急いで部屋を出た。
チェストに服を詰め終え、私は軽く城内と町を案内された。
昼間はいつも行っているという小さな食堂に連れていってもらった。
ジェイドさんは、とても町の人にも慕われていて、色々な人に話しかけられた。
「新しい彼女ですか?」
「ははは、まあそんなところです。」
と、軽い冗談で言われていたけれど、気恥ずかしく、また、女性からの視線は痛く……。
ジェイドさんの背中に隠れる他になかった。
(ちょっと疲れたな…)
私室に戻ると、ジェイドさんは雑務を少ししてきますね、とお部屋を出ていった。
私はソファに寄り、本棚にあった難しそうな本を1冊手に取り、読んでいる途中で眠ってしまった。
何が書いてあるのか、よくわからなかったけれど、染み付いている心地よい香りが、どことなく安心させた