第3章 「秋」~すれ違い~
木々の葉っぱもすっかり色づき、風も冷たくなってきた。
私はマフラーをしながら、白い息で手を温めていた。
私は結局、太陽君に告白するかしないか、決まっていないまま秋を迎えてしまった。
何度考えても、不安ばかりが残ってしまい、なかなか決められなかった。
こうしている間にも、時間はどんどん過ぎていく。
瑠璃には、
「当たって砕けろ!」
と言われて、ますます分からなくなる…。
私は、焦りだけがだんだん募っていった。
その頃病院では、太陽君とお母さんは先生にに呼ばれて別室にいた。
そのことは、私はまだ知るよしもなかった。