第5章 お見舞い
萩「秀吉さん読んでもらって良いですか?」
家康「何?文字読めないの?」
溜息を吐き飽きれる
萩「読み書きは出来るんですが・・この手紙は達筆すぎて読めません」
秀吉「貸してみろ」
ほほ笑みながら手紙を受け取る
秀吉「えぇーと
俺の天女(天女だと?)
君が病に臥せっていると聞いたよ
俺に遭えなくて寝込んで・・・・・」
何だこれは恋文?天女とは萩の事なのか?
手紙を握り締め固まる
途中まで読んで固まった秀吉を不審に思い家康は横から手紙を覗き込む
『 俺の天女
君が病に臥せっていると聞いたよ
俺に遭えなくて寝込んでしまうなんて
天女はなんて愛らしいんだ
すぐにでも遭いにいき抱きしめたい
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君はあの晩空から俺の下に舞い降りた天女
あの時の様にまた抱きしめさせておくれ
天女が望むなら攫いに行ってあげるよ 武田信玄 』
家康「・・・・・秀吉さん」
秀吉「・・・・・家康」
2人で顔を見合わせ頷く
萩「何?何て書いてるの?」
秀吉「これはな・・・」
家康「脅迫状」
萩「脅迫状!?私信玄様に何かしたかな?」
うーんと考え込む
秀吉「脅迫状ってほかの言い方なかったのか?」
家康「構いませんよ信玄なんか嫌われればいい」
聞こえぬようにこそこそ話す
萩「ねえこっちは何?」
手紙と一緒に送られてきた風呂敷を指さす
秀吉「見舞いの品だと思うんだが・・・」
家康「罠かも」
萩「えっ罠!解いちゃったんだけど」
中なら出て来たのは
萩「羽織?しかもサイズが大きい」
秀吉「さいず??それは男物だな」
広げてみると羽織の間から紙がひらりと落ちた
家康「?」
『天女が寂しくないように』
萩「あっ!信玄様の薫りだ」
秀吉、家康「!!!!!」
家康「離れて萩」
秀吉「まさかこんな攻撃を仕掛けるとはな」
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信玄「これで寝込む事も無いだろう」