第8章 イマ
「じゃ、LOVEツアーのセットリストは一応完成です。」
「はーい、」
「また組み直しもあると思うので、よろしくお願いします。」
「了解でっす。」
「相葉さんは今からレコーディングです。」
「え、あなたまだ取ってなかったの?」
「うん、先にセトリが完成しちゃった。」
ライブの打ち合わせが終わり、スタッフとそれぞれ会話を始める。「じゃ、お先です。」と1人部屋を後にしようとした時、智くんから呼び止められた。
「今回の翔くんのソロ、オイラ好きだよ。」
「あ、え?ありがとう。」
タイミングが可笑しすぎて笑ってしまう。
「なんかいつもと違う気がした。」
「そうかな、うーん、…そうなのかも。」
「オイラなら電話、するけどね。」
「そっかあ、智くんは電話しちゃう…って、え?」
「待ってるだけじゃダメだよ。」
柔らかく微笑む智くんが
「……なんか、仏様に見えた。」
「ふふふ、うん、目開いてないしね。」
恋愛の話なんてしたことないのに、智くんにはあれが俺の気持ちだってバレたんだろうか。
、
君にもバレるのかな。まだ俺が君から抜けきれていないこと。