第8章 イマ
と別れて1年。正直忙しくて、毎日が過ぎるのは早くて、のことを考えている暇なんてないはずなのに、こんなことをわざわざ数えている自分。いつからこんな男になったんだ。
「ちょっと、翔ちゃん、」
「え?」
「どうする?次。」
「…あ、ごめん。聞いてなかった。」
俺の答えに、え!?と驚いた相葉くんが「もー、リーダーじゃないんだから!」いつもの声で笑った。
「どうしたの、珍しい。」
松潤が心配してくれるような声を出すと、皆の視線が俺に向けられる。別れた女のことを考えてました、なんて言えるわけない。
「いや、ほんとごめん。で、なんだっけ。」
「ソロ、どう繋げるかって話。」
ニノが早口で教えてくれた。
「…ああ、ソロ。………、」
…い、いかん。集中しろ俺。今日はよく昔を思い出す日だ。首をブルブル振った後、何度か目をパチパチさせて自分を鼓舞した。
「翔さんまじで大丈夫なんすか。」
「はい、大丈夫です!よし、やるよ!俺はやるんだ!」
「……なんなのこの人、」
「…さあ、」
ニノと松潤の呆れた顔に気づかないフリをして、仕事に集中した、いや、しようとした。