第2章 プロローグ
「ねぇ、ちょっと寄ってかなぁ〜い?」
背中が大胆にも空いた真紅のドレスを着た派手な化粧の女性がスーツ姿の冴えない男性を誘っている。
周りを見渡せばそんな光景ばっか。
ネオンに包まれたこの街。
通称『現代の吉原』
自分の身体を売り、金儲けをする者。
一夜限りの戯れの為に大金を払う者。
生真面目な人曰く、不潔な場所らしい。
でもここが私の生きる場所。
いや、ここでしか私は生きてけない。
こんな生活に慣れ親しんでしまったのだ。
「あっ、いたいた!優里ちゃん。
今日は僕が一番乗りだね?」
「こんばんは、小林さん。
お仕事お疲れ様です。一番乗りですよ」
私が小林さんと言った人は少しぽっちゃり気味だが優しくて悪い人ではない。
「じゃあいつものお願いしていい?
そうだなぁ……これで!」
そう言って小林さんは指で『4』を示す。
「おっ、太っ腹ぁ〜!それでは移動しますか」
ネットで買ったセーラー服に身を包み、
長い髪の毛結った私。
齊藤 優里、16歳。
ー援交してます。