第3章 同じの違い~birthday Alan~
二度目の射精を終えると、リルは意識を朦朧とさせ、弱々しくアランの手を握っている
「ア、ラ、ン…」
(やり過ぎたか…)
「愛してる」
短いキスを落とし眠りについたリルを抱きしめアランも眠りについた
次の日、リルは昼過ぎ迄目を覚ますことはなかった。眠るリルを起こさないようにベッドサイドに腰をかけると、ベッドの下からチラっと見える箱をアランは見つけ中を開けてみる
(リルか?)
綺麗にラッピングされた箱の中にはルビーのついたカフスが入っている
(こいつに着せたシャツに合うな)
あどけない顔で眠るリルの唇にそっとキスを落とし大事に箱をしまった
数日後、食堂へ行くとユーリが紅茶を入れながらアランに話しかけてきた
「アラン様、そのシャツ気に入ってますね」
アランが来ているのは先日リルに着せたワインレッドのシャツ
「あぁ、着心地いいから、気に入ってる」
(これ着たあいつの抱き心地もいいけど)
「へぇー。いいですね。お気に入りの着心地のいいシャツ。俺もいいの見つけたいなぁ」
紅茶を飲みながら朝食を摂ろうとしているとリルも食堂のやってきた
目が合うと、ほんのりと顔を赤くしそっと横に座る姿に悪戯心が芽生える
「おはよ」
「お、おはよう」
「なに?思い出したの?」
耳元で囁くようにわざと問いかける
「あ、アラン!!」
耳まで真っ赤にしながらもアランの袖元につけられたカフスに気づき
「それ…」
「ありがとな。お気に入りのシャツに付けた」
「う、うん…当日に渡せなくてごめんね…」
後悔を滲ませ俯くリルに
「無理させたからな。気持ちよかったけど」
(あぁ、ちょっとからかいすぎたか)
「あれ?リル様どうしたの?顔赤いよ?」
事を知らないユーリはきょとんとした顔で問いかけてくる
「な、なんでもないの…ここ、暖かいから」
「ほら、早く食わねえとジルにまた小言言われるぞ?」
「うん…」
何事もなかったかのように朝食を食べ始め、アランはまた甘い夜を待ちながら1日のスタートを切った
end