第8章 満月の夜に
「そう。小さい頃のね。
ほら、見てて」
『盃を交わすと"兄弟"になれるんだ』
『兄弟〜!?ホントかよー!!』
『.........』
『海賊になる時、同じ船の仲間にはなれねェかもしれねェけど、俺たち3人の絆は"兄弟"としてつなぐ!!
どこで何をやろうと、この絆は切れねェ......!!
これでおれ達は今日から、兄弟だ!!』
『『おう!!』』
カーン!!
盃の交わる音がした
「すげぇ...」
「懐かしい?」
「うん!」
「なら良かった!」
「スイ、すげぇな!!」
「また、見せてあげるね」
「楽しみにしてる!!」
私が幻を見せている間にいつの間にか陽が昇り始めていた
「朝だね」
「そだな!!」
「そろそろサンジが起きてくる頃かな。
今日の朝ごはんはなんだろう」
「そんな事言うから腹減ったじゃねぇか!!」
「フフッ、もう少しの我慢じゃない。」
「それもそだな!!」
しししっ、と笑うルフィ
私もつられて笑顔になる
ルフィって裏表ないよなー。
いい船長だ。
「ルフィ、これからもよろしく」
「おうっ!任せとけ!!」
それから時は流れ、一ヶ月が過ぎた頃だった
いつも通り航海するサウザンド・サニー号
「島が見えてきたぞ!」
ルフィが声を張り上げる
「ログポースのどの針もあの島を指してないわよ」
「面白そうじゃねーか!!行こうぜ!!」
ルフィがウキウキした笑顔で言った
島へ上陸することが決まった
島に上陸し、それぞれ自由行動となった
船番はフランキーだ
私は一人で歩いていた
ログポースが指針を示さなかった島なのに...活気が溢れてる...
この島に住んでいる人たちはとても幸せそうだった
いろんなお店がある
いいなぁ...あのブレスレット...
ショーウィンドウを見ながら思った
ん?今後ろを...
ショーウィンドウ越しだったが、後ろに写った人...
見たことあるなー...
まさかね。そんな偶然あるわけないか
そう思って後ろを向いた
誰もいない
やっぱり気のせいか
「会えると良かったんだけどな...」
ずっと感じてる気配
たぶん、あの子もここにいるのだろう
「"光"の巫女」