白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第29章 華を蝕む闇
少し開いてくれるのか?
アナタの心を…。
「はい、仰せのままに」
クルリと姫凪さんに
向けた背中に小さな頭が寄り掛かる
『…私…光太郎を
本気で好きになった…
光をくれて…
幸せをくれて…
泣かない日々をくれて…
光太郎とならって…
本気で…思ったの
前に進んだって…』
背中に当たる言葉は
俺の予感を確信に変えていく
「俺が…」
『赤葦くんのせいじゃないよ!
それは違う…!
…きっかけではある、けど。
原因ではないの…
悪いのは私の心だから…』