白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第29章 華を蝕む闇
なのに
『うん、どうぞ…って!
赤葦くん?!顔色悪いよ?
大丈夫?!』
血相を変えた姫凪さんが
俺に駆け寄ってくる
ダメだ…今は…
来ないでくれ
「平気です。
調理に戻って…」
ふらつく足が
体重を支え切れず
椅子に腰を降ろさせる
あ…これ…は…
さっきの……
『大丈夫?
変な汗もかいてる
熱でもあるの?』
近付く手が
脳にあの忌々しくも
艶かしい記憶を
鮮明に呼び起こさせ
身体がまた
反応してしまう
「近付かないで…
俺を見ないで下さい…」