白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第28章 華の祈り
ふわりと香るのは
姫凪の香り
誰とも交わってない
姫凪だけの香りで
更にソワソワと浮き立つ心
「似合うんじゃね?
携帯の色にもあってるし…」
そっと髪の毛を撫でると
『ありがと!
嬉しいよ』
ドキドキでは終われない想いが
胸を拐っていく
「姫凪…
あのさ…俺…」
無意識に頬に伸びる手が
携帯の音に止められる
『あ、クロ、ごめん…!』
「いや!俺も…スマン…!」
再び開いた距離
姫凪は携帯を手に取って席を立つ
木兎か?
なら帰らねぇとな…