白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第28章 華の祈り
苦笑いを笑顔に切り変え
チビちゃんに近付くと
「失礼します、お客様」
仕事を思い出したのか
ピタッと顔に張り付く
スマイル0円。
そのまま去ろうとする
チビちゃんを
「注文、取りに来てくれね?
試合終わりで腹減りなんだよ、俺ら」
思わず引き止めてしまう
「かしこまりました。少々お待ちください」
俺は客でついさっき
会ったばっかで
嘘くさい笑顔も当たり前なのに
何でだろうな
そんな易く重なる程
俺の中の蝶は
軽い存在じゃないのに
重ねてしまう
追ってしまう
落ち着けよ俺。