白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第28章 華の祈り
今思えば
正義の味方になりそこねた
ダサいヒーローの僻みなんだけどさ
目の前の二人が
「なんで?」
「なんとなくー?虫の知らせじゃね?
お前がピンチだと俺分かるっぽい
ほら。帰るぞ?おいで?」
「う…ん…ありがと…」
「はーい。お帰り」
幸せそうにしてるのに
堪らなく苛立ったんだ。
正義の味方に手を引かれ
抱き締められる
小さい身体
ここでも、俺は…奪われるのか?
ふわりと無くなった
温もりに
自虐的な笑いを浮かべ
二人に近付く