白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第28章 華の祈り
研磨の頬を抓ると
「向いてないから
逃したんでしょう?
本当は一生おれのだった。
だから分かった
おれは自分の為の悪巧みは
向いてない。
だから
もう自分の為には企まない」
読み取れない表情のまんま
研磨が御守を俺の手から取って
「チャントお礼が言えるまで
没収。」
くるりと背中を向け
「おい!お前は言わねぇのかよ?」
「トラと仲良くお風呂入らなきゃ
クロの言いつけ守るとか
おれ超イイ子」
してやったり顔で
俺に笑い掛け
そのまままた歩き出す