白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第26章 枯れる事さえ出来ぬ華
ナニも出やしないのに
駆け込んだトイレの中
涙だけがこぼれる
「好き…姫凪…
行かないで…くれ…
デートとか嘘だろ?」
未練も流れてしまえば
心も流せてしまえばと
無駄に水を流すけど
意味なんかなくて…
「なにやってんだろな」
ユックリトイレから出る
涙だけ拭って
部屋に向かおうとしたら
廊下に影が二つ
足を止めて便所に引き返そうとしたら
『………好き』
小さく聞こえた声。
「……はぅ…っ!」
…トドメかよ。