白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第24章 愛しい蝶と繋ぐ指
また一歩遠ざかると
『…?』
不思議そうに俺を見上げる
姫凪さん
あ…心配させた?
姫凪さんは優しいから…
余計に近づいて来る…かも
汚れてしまう
俺の大切な蝶が
俺のせいで
…そんなの嫌です……。
「来…たら…
またキスし、ますよ?
俺…キス魔なん…で…すから
木兎、さん、も…まだです…し…
危ない、ですよ」
詰まる息を必死でかくして
クスクスと笑って見せる
いつもの冗談。
二人きりの時だけ使う。
アナタにだけ聞かせる
冗談に似せた本音。