第24章 愛しい蝶と繋ぐ指

「聞こえませんでした？
今から逢えませんか？」

〈なんで、かな？〉

「…相談があります」

だから俺も
連れ出して。

この苦しくて暗い所から
連れ出して下さい

さぁ、姫凪さん。

アナタの綺麗な声に闇を落とす
その場所から…

一緒に逃げましょう？

〈あのね…研磨がまだ寝てるの
…明日じゃだめ…かな？〉

優しい声が
隣で寝てる孤爪を
安易に想像させて

きっと何かあったろうに
それでも孤爪を想うアナタに

想われる孤爪に無性に苛立つ。