第22章 翔び立つ蝶に隠す涙

ダイジョブだよクロ。

だから泣かないで良い。　
　
泣くのは

おれだけでイイ。

姫凪はおれの話を
黙って聞いてた

怒るわけでもなく
ただ聞いて

涙を落としてた

「本当にごめん。
どうしても姫凪が欲しかった
好きで好きで堪らなくて
クロもクロの姫凪も
壊れちゃえって思った
おれさえ居なきゃ
姫凪は泣かなかったのに…」