第2章 ここはどこですか?
土方「とにかく殺せばいいってもんじゃねえだろう。・・・こいつらの処分は、帰ってから決める」
斎藤「俺は副長の判断に賛成です。長く留まれば他の人間に見つかるかもしれない」
斎藤は周囲を見渡しながら移動すべきだと進言した。
私が倒した男に目を落とし
斎藤「こうも血に飢え狂うとは、実務に使える代物ではありませんね」
土方「・・・頭の痛ぇ話だ。まさか、ここまでひどいとはな」
彼らは感情の宿らない眼差しを足元に向けた。
そして不意に顔を歪めると、苛立たしげに他の2人をにらみつけた。
土方「つーか、おまえら。土方とか副長とか呼んでんじゃねえよ。伏せろ」
沖田「ええー?伏せるも何も、隊服着てる時点でバレバレだとおもいますけど」
(確かに浅葱色の羽織を着てるし新選組だってバレバレだよね)
斎藤「死体の処理は如何様に?肉体的な異常は、特に現れていないようですが」
声をかけられた土方は、短い思案を挟んだ後に口を開いた。
土方「羽織だけ脱がしとけ。・・・後は、山崎君が何とかしてくれんだろ」
斎藤「御意」
沖田「隊士が殺されてるなんて、僕たちにとっても一大事ですもんね」
総司はくすくすと笑いながら同意する。
土方「ま、後は俺たちが黙ってりゃ、世間も納得してくれるだろうよ」
(・・・何かさりげなく圧力をかけられたようなくがするなぁ)
沖田「ねえ、ところでさ。君このお姉さんに助けてもらったんでしょ?お礼は言ったの?」
少年「・・・え?あっ!!そうだ先程は助けて頂きありがとうございました」
萩は少年に微笑む
沖田「ははは。君面白いね、僕は沖田総司よろしく」
少年「あ、よろしく・・・」
斎藤「副長そろそろ、移動を」
斎藤が再び移動をうながした。
総司は私たちの手首をつかむと、そのまま歩き始める。
手首をつかむ力の強さに、改めて現実と直面した。
(ここは本当に薄桜鬼の世界なんだなぁ)
私達を生かすも殺すも、この人達の考えひとつ・・・
斎藤「最悪を想定しておけ。・・・さして良いようには転ばない」
(そうですよねぇー)
萩「あっ!!ところですいませんがそういえばここはどこですか?」