With Live Planet _この星で生きる_
第3章 アースベインという星は
ゴンッという大きな音で私は目を覚ました。
だんだんと眠りの世界から、現実へと引き戻ってくる。
「ぃっっ…」
意識が戻ったと思ったら、身体中が痛んだ。
特に胸がえぐられるようにズキズキとする。
心臓がいつもの5倍は早く打ってるかのようになんだか、息がしづらい。
目の前には灰色のさほど高くない天井があった。
「おぉ、起きたか。ニンゲンよ。
身体が痛むと思うが時期に治る。
それより、いいタイミングで起きたな」
寝転がる私の顔を覗き込むようにして、お年寄りの人間のような人が話しかけてきた。
私を殺そうとした奴の顔に私はギョッとするがそんなのを彼は気にしていない。
「なんだその間抜けヅラは…安心しろ。
帝国王がお前を招待しろと言ったんだ。
だから殺さない」
確かにその証拠に胸の傷が処置がされていた。
「それよりも!ほれ、窓を見てみなさい」
私は痛む身体を労わりながら、腹筋に力を入れて上体を起こす。
白いベットの上に座り直した私は
窓よりも、先に周りの空間を見回してしまった。
小さい部屋のような空間に
見たことのない機械が沢山あった。
周りを見ていたら「窓じゃ」と言われたので、私は目の前にある窓から、窓の外を見る。
「地球……?」
窓の外には、大きな丸い球体が広大な宇宙にぽつんと浮かんでいた。
「そう、地球だ。お前が住んでいたところだ」
地球は今、黄土色のような色をしている。
30年ほど前までは、青と緑、そして雲の白が混ざったとても素晴らしい色だったと教科書に書いてあった。
しかし海も干されて『幻の自然』となり、草木なんて私の中では架空のものだと思っている。
「今は12月25日の23時58分じゃ。
この時間が何を意味するかは分かるな?」
私の方を見ず、窓の方を向いたまま私に言ってきた。
そりゃぁ、分かっている。
あと2分ほどで、私たちが住んでいた地球が
なくなってしまうことくらい。
味わったことのない感情。
悲しくもないし、嬉しくもない。
しかしどうでもいいとは思わない。
「お前たちの文化より私たちの方が優っている。だから地球へ隕石が衝突することも分かった、残り1分だぞ」
地球上には、たくさんの土と血と死体があるだろう。