With Live Planet _この星で生きる_
第11章 愛は狂気に、憎しみは殺意に
その日から私に対する嫌がらせは日に日に悪くなる一方だった。
飲料には解毒剤や洗剤は入ってるし、衣服からはよく刃物が出てきた。
「この微妙な切り傷が痛いんだよなぁ〜」
なんて呟きながら私は部屋にいた。
どうやら2人とも私が他の第1級戦闘士に言う気がないことに気付き、やりたい放題なのだ。
もうあからさますぎて呆れてきた。
あ、そろそろ食堂行かなきゃ……
私は自室を出て食堂へ向かっていると、逆方向からワンとトューが来た。
「こんにちは、ワン、トュー」
「人間のくせに調子に乗らないでくださぁぁい〜」
挨拶の代わりにすごいことを言いながら私の横を笑って通り過ぎていく。
人間か……そんなこと忘れてた…
私は心が痛むことに気づかないふりをして食堂へ向かった。
いつものように食事を終えると、私はワンとトューの元へ行くことにした。
そろそろ限界なので一応抵抗しておこうと思ったのだ。
ワンの部屋の扉を叩くと、すぐに出てきた。
「ねぇ、これ……返すね?」
私はワンにカッターの刃などの刃物を返す。全て私の衣服などに仕込まれたものだ。
「わぁ、わざわざありがとうございますぅ!またやりますねぇぇ」
いつものようにニコニコ笑顔で嬉しそうに言ってくる。反省もクソもないな。
「こういうことやめてほしいんだけど…なんでこんなことするの?」
私はできるだけ怒りを表に出さないよう、冷静を偽って聞く。
するといきなりワンから笑顔は消えた。
「ーお前が人間のくせにガブリエルさんと付き合うからだろ⁉︎私は何年も前から好きだったのに、あんたが奪ったんだ!」
軍服の襟を掴み、顔を近づけて唾を飛ばしながら私に言ってくる。
いつもの語尾を伸ばしたり、という事はなくなっていた。
「人間っていうのは関係ないと…「あるわっ!!」
はぁはぁはぁ、と肩で息をしているワンはかなり理性を失ってるようだ。
「お前のその態度気に入らないんだよ!
強いからってみんなにチヤホヤされて!
全部奪ってやる!なにもかも!!」
そう叫んで私を突き飛ばした後、勢い良く扉を閉められてしまった。
私が怒りたかったのに…なんで怒られてるんだろ。
私の胸にはモヤモヤしか残らなかった。