第2章 始まり
これからは私が二人の面倒を見ていかなくちゃいけないんだ。
泣くのはやめよう。
長い距離を走り続けて千鶴と薫の体力は限界を迎えていた。洞窟を見つけ、二人が寝るのを見届けたあと、私は一人で森へと入って行った。
木の実などを拾い、2人のいる洞窟に戻った。
……しかしそこに二人の姿はなかった。
桜『千鶴!!薫!!』どこに行ってしまったのだろう。
私は森の中を二人の名前を叫びながら探し続けた。
桜『私が……私が……二人きりにしなければ。』
里は幕府の役人によって抹消され、私の大切な家族を。仲間を奪われた。
そんな中、薫と千鶴。この二人はどんなことがあっても、ずっと一緒にいよう……
ずっと守り続けよう。そう思っていた。
なのに……