第1章 全ての始まり

貴「あぁ、次の曲何にしよう」


ちょっとした興味本位で始めた歌い手。

歌を歌うのが好きってこともあったからニコ動に上げてみたんだけど、何か歌声綺麗だとか上手とかなんとかで、人気になってしまった。

気まぐれで動画を上げているのにも関わらず、人気は下がるばかりか上昇中。

僕の歌を好きって言ってくれるのは嬉しいけど、人気上昇中っていうのはわけわかめだよ。


貴「今のとこ上げたのは全部で36曲。いっそのこと、カゲプロ制覇しようかな?」

貴「………そういえば最近歌ばっかで、演奏全然やってない」


……息抜き程度にやろうかな?

歌ばっかりってのも、何か飽きてきたし。

てか、ニコ動での活動って趣味程度だから、自分の好きにやっても良いよね。

人気になりたくてやってるわけじゃないし。

………ま、やるからには手は抜かない主義だけど。

一体どっちなんだよって思うよね。


貴「演奏の方、ピアノだけでやってたけど違う楽器でもやってみようかな?」


ピアノ以外やったことはないんだけどね。

人生、何事にも挑戦あるのみだよ。


そうと決まれば、即行動。

ほら、うたプリの聖川真斗さんだって、『思い立ったが吉日』って言ってたじゃない?


貴「……って、ピアノ以外楽器無いや、この家」


すっかり忘れてたよ。

今お小遣いどれぐらい残ってたかな?


ﾊﾟﾗｯ


通帳を除けばそこには、アルバイトで稼いだお金と、親から毎月貰って貯めたお小遣いの合計が書かさっていた。


貴「( ; ゜Д゜)」

貴「(ノ_＜。)」

貴「( ; ゜Д゜)」


………僕の目は腐ったのだろうか?←

通帳に書かさってある金の0の羅列が凄いんだけど……。


………ちょっと整理しよう。

親から毎月貰ってる分は、二人分足して月50,000。

ちなみに、親と一緒に暮らしてこのお小遣いだから。

おかしいって?

僕も自覚してる。

一般の家庭のはずなんだよ。

宝くじ当てまくってる幸運を除けば。


この家のせいか、僕もかなりの幸運の持ち主。

じゃなきゃ、年賀ハガキ毎年連続で当たんないよ。

………僕、アルバイトしなくても生きていけるかも。


アルバイトの時給1,200円で最低4時間勤務、1日最低4,800円の収入。