第1章 はじまり
(な、んで?
亡くなった…って、なに?)
「ねぇ…?ミカサ!どうして…」
の目に涙が浮かぶ
ミカサが見た光景は壮絶だった
エレンと共に逃げる最中
何度も、何度も見知った顔が地面に横たわってる様を見てきた
取り乱すエレンをその度に必死に引っ張りながら
ようやく連絡船だというところまできて
見てしまった
の両親の無残な姿を
あんなによくしてくれた二人の最期の姿を
とてもには話せなかった
いつも冷静で強いミカサの青ざめた顔
小刻みに震える体
それが全てを物語っていた
はただ、ただ立ち尽くす
(お母さん…お父さん…)
不気味なくらい真っ赤な夕日が沈もうとしている
遠くから聞こえる耳障りな破壊音
そして悲鳴
船が出航する
船の中で
ミカサがゆっくりと
全てを話してくれた
エレンは目の前で母親を巨人に食われたらしい
もう
何を聞いてもの頭には入らなかった
ただ呆然と赤く染まるシガンシナ区を見つめる
今まで黙っていたエレンが呟いた
「駆逐してやる…この世から…一匹…残らず‼」
その言葉が
限界まで泣いて憔悴しきった頭に
いつまでも残った