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落ちる、

第1章 食事から


マットな肌に、ぱっちりまつげ。
華奢なネックレスに、小振りなピアスなんかして。
可愛いワンピースに身を包めば、そこには綺麗なあたし。


マンションのロビーで待っていると、見覚えのある車が前に止まった。
近寄ると、運転席の窓が開く。

「高野ちゃん、お待たせ。」
優しげな笑顔は、彼の人柄をそのまま表していた。
「お迎えありがとうございます。」
「こちらこそ、ご飯に付き合ってくれてありがとう。」
助手席に乗り込むと、岩本さんもいつもより着飾っていることが分かった。
「どこいこっか?」
当ての無いデート先を模索する。
「せっかく車だし、普段行けない遠くのお店がいいです。」
「じゃあ、パスタなんてどう?いい店知ってんだよね。」
「岩本さんのオススメなら間違い無いですね。」
「おいおい、ハードル上げちゃダメだろう。」
笑いながら、車は走り出す。
大通りに出て、しばらく道なりに走った。
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