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歌を奏でて(詰め)

第8章 リナリー×凛として咲く花の如く


~谷中 奏~

「綺麗な歌声ね、やっぱり奏ちゃんの歌声が一番好きだわ」

そう言って隣で微笑む綺麗な女の子、通称オリナは眠たくなったのか大きな瞳が閉じかけている。

「子守唄を歌っていないのに眠たくなるなんて、オリナはまだまだ御子様なのねぇ…」

頭を優しく撫でながら膝に寝かす、まるで私がオリナの母親に成った様な感覚だわ…子供が出来たとしたらこんな感じなのかしら。

「子供扱いしないでよ…、私かってもう御姉さんになったもの、奏ちゃんかって知ってるでしょう?」

「はいはい…知ってるよ、ちゃんとオリナは御姉さんに成れたもの…頼もしいわねぇ」

疲れているのか…すぐにオリナは眠りについてしまった、何時も何時も頑張りっぱなしですもんね。

私は何も出来ないから、役に立つ事は貴女の隣に居てあげる事しか無いからね…だから沢山甘えさせてあげる。

綺麗な月が暗い部屋から覗く中、そっとオリナに囁く…それは無意識に。

「ごめんね…私のせいで迷惑をかけてしまって」

その言葉が聞こえたのかは解らない、だけれどオリナが少しだけ悲しそうな笑みに成ったのはどうしてなのかは知る事も出来なかった。

~EИD~
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