第7章 紅明×ドーナツホール
~練 紅明~
「紅明様、ドーナツと言う洋菓子を存じられますか?」
奏殿の手作りなのか、綺麗に包装された袋をにこやかに持ちながら訊ねてくる。
ドーナツ…以前、紅覇が美味しいと言っていた洋菓子ですね、間近で見たことは無いのですが名前や見た目等は知っています。
「えぇ、丸く多種多様な味が有る洋菓子ですよね」
「はい、そうです…それで、紅明様に作ってきたのですが貰っては下さりませんか?」
「御言葉に甘えさせて頂きます」
そう言うと、嬉しそうに綺麗な瞳を輝かせ袋を手渡してきた、本当に愛らしい方ですね、この女性は。
「では…御仕事の妨害をしない様に私はこれで、また感想聞かせて下さいませ」
優しい笑みを浮かべると、深く一礼して私の部屋を出ていった、仕事が片付いたら休憩として食べますかね。
「ふぁ~…、ようやく片付きました…」
奏殿に頂いた袋を手に取り、微笑ましく思いながら丁寧に包装をほどいた。
その中には美味しそうな色をした綺麗な丸い洋菓子が数個並んでいる、これがドーナツですか。
口に運んでみるとその味は甘く、とても彼女らしいと思えた…気が変わりました、今から貴女の元へ行くとしまょう。
「とても美味しいですよ、奏」
~EИD~