第11章 Red Trick~織田信長~
「はあ?」
義経は心底驚いたようじゃ。
まさかこう来るとは微塵も思っておらなんだだろうからな。
「俺達にこの世界を任せてみろ。
俺はこの与一が惚れ込む程のデキル男だから
最終的に超ーいい世界になるぞー。
何だかんだと下らん事で差別もしないし、
税もいい感じで商売繁盛。
農民も楽だし兵も規律イイし、超絶いい国作るって。
本当本当ー。」
俺の呑気な台詞に義経の表情からは力が抜けて、完全に呆けて仕舞っておる。
だから俺はその目を見据えて一際低い声で言い放った。
「のう……面白そうだとは思わんか?」
「はっ……はは……あははははははっ……」
大声で笑い出した義経に、俺は確信する。
良し、堕ちた。
「そうだね。
それは『最高に面白そう』だ。」
その義経の言葉に俺と与一も不敵に笑う。
さあ……道が開けた。