第10章 新しい仲間
菅原side
菅「あ、旭……」
戻ってきた、エース。
"じゃあ俺は?"
俺はあの日から、踏み出せているのか?
旭はあの日から大きな一歩を踏み出して体育館にきた。
ならば、俺は……
烏「そっちからセッター貸してくれないか?」
菅「………」
俺は、今、踏み出す。
影「菅原さん!……俺に譲る…とかじゃないですよね。菅原さんが抜けて俺が繰り上げ、とか。」
菅「俺は、影山が入って来て正セッター争いしてやるって思う反面、どっかで…ほっとしてた気がする。
セッターはチームの攻撃の軸だ。一番頑丈でなくちゃいけない。…でも俺は、トスを上げることに…ビビってた…」
そう。俺はそんなに強い訳じゃない。
辛いことから逃げながら、優しい仲間に甘えていただけ。
菅「俺のトスで、またスパイカーが何度もブロックに捕まるのが恐くて、圧倒的な実力の影山の陰に隠れて、安心…してたんだ…」
でも………
菅「でも俺はこのままは嫌だから。」
だから、お願いだ。
菅「だからもう一回、トスをあげさせてくれ。旭!」
東「っ?!」
菅「だから、負けないからな。」
影「うっす」