第10章 EP海常3 男子バスケ部へようこそ
放課後
「森山先輩体育館までの案内よろしく」
「任せてくれ。」
森山先輩に案内してもらい、僕は体育館へと入った。
「ほぇ~。ホント広いなぁ。」
僕は体育館の中を見回す。
原作見てるときから思ってたけど、実物も相当広いな。
「あっちに見えるのが、俺たちレギュラーメンバーだ。」
森山先輩の声で視線を戻す。
そこには、既にレギュラー陣ならびに、そのほかのバスケ部メンバーが集合していた。
「笠松先輩とこぼりんと早中2年コンビと黄瀬くんか。」
「全員の名前知っていたのか。 でもなんで早川と中村を略したんだ。」
森山先輩は意外そうに驚いた。
「まだあだ名決まってないから。」
「・・・・・・」
「ちゃんと決まったら呼んであげるって。」
ちゃんと2年組も名前知ってるけど、他のメンバーと比べると呼び方に面白みがない。
いや、そのままほぼそのまま呼んでるんだけどさ。
無言のままも気まずいので、とりあえず森山先輩とレギュラー陣の方へ向かう。
どうやら黄瀬くんが僕の話をしておいてくれたらしい。
「お前が見学とはな。」
笠松先輩にそう言われた。
「黄瀬くんと森山先輩に泣きつかれちゃったんでね。」
冗談めかしてそう言えば
「別に俺泣いてないッスよ!?」
と黄瀬くんは抗議し、森山先輩に至っては
「むしろ泣き落としくらいで、和泉がマネージャーになってくれるとは思っていない。」
と割とまじめな表情で話した。
「お前たちは僕を何だと思ってるんだ。」
『女子にモテモテでバスケも出来る女子。』「ッスね。」
黄瀬くんは僕がバスケをしてる姿を知らないと思うんだが。っという突っ込みを我慢し。
声をそろえてそう答えた森山先輩と笠松先輩をとりあえず突っ込みたい。
確かに、学生時代は女子高の王子的な扱いをされたことはあるけどね。
ん? っていうか、女だって認識あるなら何故笠松先輩は僕と普通に話せるのかな?
「お前バスケも出来(る)のか!!」
笑顔で声をかけてくれるのはいいんですがね。
一応先輩なんだけど。
「なんか、一葉っち先輩笑いながら怒ってて怖いんスけど」
こぼりんと中村くんにそうこぼす黄瀬君の声が聞こえた。
「そこ、なんか言った?」
「なんでもないッス」
黄瀬成仏しろよ。と言った雰囲気で先輩組が慰めているのが見えた。
