第8章 8
自室に戻ったノアは街で買ってきたものの片付けを再開する
紅茶やコーヒーはいつもの棚に、ひまわりの花束はリボンなどを解いて花瓶に移し、窓の側に置いた
ひまわりは太陽の方向に向くから、少しでも光が当たるところに置きたかった
窓の外を向いてしまう可能性が高いけれど、元気でいてくれるのならそれでも構わない
ひまわりを見つめるノアの瞳はとても優しくそして儚かった
しばらくひまわりを見つめていたノアはコンコンという控えめにノックされる音に振り向く
「どうぞ」
ゆっくりと開けられた扉からおずおずと中に入ってきたのはリアムだった
少し俯き気味でいつも前を向いているリアムにしては珍しい
「どうした?」
ゆっくりと上げた顔はどこか不安げで
なにかあったのかと思わせる