第11章 11
ノアが姿を消してから2時間がたった
「エルヴィン!ノアは!?
まだ見つからないの!?」
「ハンジ、冷静になるんだ」
「冷静になんてなれるもんか!
前だってギリギリのところだったじゃないか!これ以上取り返しのつかないことになったらどうするんだ!?」
エルヴィンの執務室ではハンジの怒号が響き渡る
ハンジの取り乱しっぷりにリヴァイは少し驚きながらも気持ちを落ち着かせるためにソファに深く座っていた
ここには幹部組が揃っている
ハンジはそわそわと歩き回り
ミケは座ってはいるものの落ち着かない様子で紅茶に手を伸ばしている
ピリピリと緊迫した空気の中、コンコンと控えめにドアが鳴った
「失礼します」
「…アンナか、どうした」
比較的余裕を残したエルヴィンが弱々しい笑みを浮かべ
「ノアさんが見つからないって本当ですか」
「………あぁ」
隠すつもりはなかったが、やはり兵団内で伝わるのが早いな
そう呟いた
「……おい、そろそろあいつについて教えてくれてもいいんじゃないか」
薄々感じてはいた
ノアが何かを隠し、怯えていることに
「……あぁ、潮時だな」
「エルヴィン!」
「ハンジ、もうこんな状況になってしまったんだ
隠し通せるものでもない」
「っ、………わかったよ
じゃあ、私から話す」
「あぁ……」