第11章 11
先ほどノアたちがいたところより巨大樹の森に少し寄ったところで赤い煙が上がる
リアムやハンジの隊の兵士が巨人に遭遇したのだろう
作戦開始だ
「始まったな、赤ということは普通の巨人か…、奇行種じゃなくて良かったな」
久しぶりの巨人捕獲作戦
リアムにとっては初めてのことだ
最初に奇行種だとハードルが高い
思い通りに誘導できないとなると死ぬ確率もぐっと高くなる
「奇行種のほうが嬉しかったんだけどなぁ」
赤い煙を見ているハンジは少し残念そうだった
「…」
しばらくはハンジと一緒にいたノアだったが心配になり見渡すことのできる巨大樹の入り口へと向かった
先ほどまでは木に登っても周りも背の高い樹木ばかりで森の中にいるのとなんら変わりはなかった
だが今はどうだろう
森の端の巨大な木の上
地上にいるときとは違い、地平線が丸く見えた
ほぼ真上に位置する太陽
建物が何一つない草原
雲という邪魔のない大空
遮る壁のないどこまでも続く大地
奇跡という名の相応しい星
その眺めは素晴らしく美しい
自分がとてつもなくちっぽけなものに思えた