第6章 不幸の予兆
残り11ヶ月。君がしたい事をたくさんしなさい。
先生が言った言葉がこびりついて頭から離れない。
ねぇ、神様。私は貴方に悪い事したかな?
思いつく限り、私は正しいことを貫いてきたつもりである。
もう、苦しい。陸上にいるのに水中に沈められて息が出来ない感覚になる。
どうしたらいいの?
どうしたら私は11ヶ月以上、生き延びられる?
私は暗い道を静かに涙を拭きながら歩く。
「遥っち!」
聞き覚えのある声。それは紛れもない彼だ。
「涼太?」
涼太は私の目が赤いことに気づいたらしく、ハンカチを貸してくれた。
「遥っち…今から1on1しに行こっか?」
涼太が私の手を握り、ゆっくりと歩く。
私に歩幅を合わせてくれているのかな。
気を使えて、優しく手を差し伸べてくれる君はいつでも笑顔だ。人気者だ。
そういう君が羨ましい。
涼太はバスケのコートがある公園に入り、ベンチに荷物を置く。
「先に1点をとったほうが勝ちッス。」
「そんな事わかってる!」
私はボールをドリブルし始めた。