Welcome to our party 2 【気象系BL】
第36章 TOP SECRET by みきちん
朝の幸せな気持ちを残したまま、
学校へと向かい昼休みを迎えた。
「バレンタインデーなんて
お菓子会社の戦略だ」
ブツブツ文句をいいながら
弁当を食べ進める雅紀。
「お前、1個も貰ってねーの?」
「うっさい!翔は貰ったのかよ」
「ほれほれ~」
ポケットから小さな箱を取り出し、
自慢気に見せつける。
「翔、嘘はダメだよ?」
「えっ?じゅ……潤!
来ないんじゃなかった?」
「早めに日直の仕事終わったの。
それにみんなにも渡したかったからね」
そう言うと、持っていた紙袋から
翔が持っていたのと同じ箱が出てきた。
翔……
潤と同じクラスだから先に貰ってたな。
潤の家は洋菓子店で、
将来はパティシエを目指してる。
こうやってたまに
自分の作ったお菓子を俺たちにくれる。
「ありがとうー、潤」
「やめっ、抱きつくな!離れろっ!」
相変わらず騒がしいな……
あれっ?
いつもなら『煩いな、あいばか』って、
ツッコミが入るのに……
「和也?」
俺の問いかけに反応することなく、
潤から受け取った箱をじっと見ていた。