第32章 Joyeuse Saint Valentin by うめ

「みんなーハッピーバレンタイン♪」


楽屋で翔ちゃんが鞄から取り出したチョコレートをおいら、かず、相葉ちゃんに手渡す。


「わぁ！これ翔ちゃんが作ったの？」


「溶かして型に流して固めただけなんだけどね」


「でも綺麗にデコってる…。ありがとう翔さん」


「松潤のは？」


「さとし何言ってんの。潤くんは本命チョコなんだからもっと豪華なの作って渡したに決まってるじゃん。ねぇ翔さん」


「もちろん♪」


「チョコ以上にもっと甘いのも頂いたけど…」


「もう潤！言わないでよ！」


真っ赤な顔でバシッと肩を叩きながらも幸せそうに微笑み合う夫婦。


バレンタインか…。


隣に座るおいらの奥さんをチラッと見つめる。
楽しそうに３人と話しながらチョコレートを食べていた。


そういやバレンタイン…貰った事ないな…。


まぁ、目の前のベタベタ甘々夫婦と違っておいら達は記念日とかあまり気にしてないもんなぁ…お祝いは誕生日と結婚記念日位か…。


昔はバレンタインチョコなんて気持ちが重くてウザかったけど…かずからなら…欲しいなぁ。


愛する奥さんの愛が詰まったバレンタインチョコを思い浮かべながらおいらはスタジオへと向かった。