藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第19章 ♡Story66♡ 最後のお仕事、新しい命
「でもね?裕太が初めて生まれて産声をあげたとき……
嬉しい気持ちで溢れたわ……
今までの苦しみが嘘みたいにね……。」
「そうなんだ……」
「百合の時もそうよ?はじめは苦しかったけど、
貴女が生まれた時の喜びは今でも忘れない……
この世に生まれてきてくれてありがとうって思ったの。」
「っお母さん……」
「だからね?親っていうものは、子供のためなら何でもできるものなの……
貴女が産みたいっていう気持ちは、そういうものでできているの……
生まれる子を守りたいっていう、母性本能から生まれるものなのよ……」
「母性、本能か……」
「そう……」
「玉森さーん、中にお入りください。」
「はーい。百合、行くわよ。」
「うん……」
診察室へ案内され、その中にはひとりの男性医師と女性の看護師がいた。
「はじめまして、八乙女光と申します。
血液内科の薮から紹介にあがりました。具合の方はいかがですか?」
「はい、薬のおかげでなんとか……」
「それはよかったです。では、今日の本題に入りますが……
本日は妊娠検査ということでよろしいですか?」
「はい、お願いします……」
こうして検査は受けることになった百合。
終始緊張していた百合だが、有希子が常に付き添っていたので
無事全ての検査を受けることができた。
再び診察室へ戻ってきた百合……
光は真剣な眼差しで診断書に目を向けていた……。
「っあの……検査の結果は……」
「まさか本当に、この子は……」
「……えぇ、
おめでとうございます。」