第6章 ♯5
「彼女の噂は相当だったじゃないか。私が興味を持つのはおかしいかい?」
「・・・気持ちわりぃ」
「彼女とまだ話をしてないんだろう?」
「話すことなんぞない」
「君のことを恩人だと言っていたよ。素直な良い子じゃないか。」
「・・・・・聞いたのか?」
「興味深い話だったよ。君が人助けをするなんてね」
「・・・ッチ。班はどうするんだ?」
「傍に置いておきたい気持ちは分かるが、期待の新兵を前線に送るわけにはいかない」
「そうか」
「彼女は君の右腕になる」
「あいつが?そうは思えねぇ」
「私には分かるよ。君たち二人が調査兵団の、人類の希望になる」
「・・・フン。希望になんかなりたかねぇけどな。俺は寝る。エルヴィンちゃんと掃除しろ。ここは汚すぎる」
「充分したつもりだったが・・・後でやっておこう。おやすみリヴァイ」
リヴァイに言いたいことはまだあったが、そう急くことでもないだろう。