第5章 涙言葉
~DIO~
「貴方は…誰、なんですか? 何で…貴方だけが其処に…居るのですか? 私の、私の…大切な方は? どうなって…しまうのですか…?」
そう不安げに問い掛けてくる一人の娘、癒芽との出会いは私が癒芽の…大切な人間を殺した時だった。
酷く怯えた顔をしていて、とても恐怖心が強かったのだろう…その場に座り込んで動く事すらまともに出来ない状況だったからな。
「私はDIOだ、貴様の大切な人間は…もう此処には存在しない、簡単に言うと死んだんだ…この私が殺した、貴様も死にたくなければ早く失せるが良い」
そう言うと癒芽は力の入っていない手足を無理矢理使い起こし、私の顔を真正面から見詰めてきた…馬鹿なのか?
早く逃げれば良いものを癒芽は私を見たままで動こうとしない、貴様の大切な人間を殺した現場を見ていたのだろう、何故…先程までは恐怖心で動けもしなかった娘がこれ程までにも脅威を感じるのだ?
「貴方は、私と同じで…怖いのですか? 何かに恐れている様な、何かから逃げ出したい様な、そんな孤独心を抱いていて…ツマラナソウな瞳をしています」
「……何をふざけた事を言っているのだ、貴様に私の事が解ってたまるか。 血を吸い干してしまうぞ、それとも私の愛人にでもなるか? 貴様は綺麗な身なりをしている」