第15章 長ーい幸せ
挨拶二日目。
「き、緊張しますね~」
「でしょ?」
手に汗かいて、和也君のあとに続きます。
「ただいま」
「お、お邪魔します」
「あ、お父さーん。来られましたよー」
私のお母さんより、
全然美人な、和也君のお母さん。
「お!どもども」
私のお父さんより、
全然優しそうな、和也君のお父さん。
「日向葵です。はじめまして」
「和也の父と母です」
はい、知ってます。
「籍だけなんだってな」
「ちょ、父さん速くない?」
「ふふふ。お父さん嬉しくて嬉しくて仕方ないのよ」
ほのぼの家族。
優しそうな二人で安心しました。
まさか、自分にこんな日がくるなんて
思ってなかったから。
「葵ちゃん。和也のこと、よろしくね」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」
「いい子じゃないか~」
「父さんっ」
気に入ってもらえたみたいで
何よりです。