第14章 短い同居生活
「和也君」
「なに?」
「私のこと好きですか?」
「・・・キライ」
「えっ!」
「嘘嘘」
芽衣に貸してもらった本に
書いてあった。
『恋人に、自分のことを好きか聞いてみなさい。
もし、すぐに好きと返ってきたなら、この先不安です。
でも、相手が意地悪をして、嫌いと言ったあとに好きと言ったなら、貴方は何も心配しなくていいのです。』
「好きですよ。あおさん」
甘く囁く声に、ドキッとする。
「もしかして、読みました?」
「ん?」
「あ、いえ」
なわけないですよね。
「なにかに書いてあったの?
だからいきなり・・・」
「あー、ごめんなさい」
早速ばれました・・・。
「そんなこと、聞かないとわからないの?」
「いけない御方ね」
人生初のお姫様抱っこをされ、
灰色のベッドに運ばれました。