第8章 欲しいものは欲しい
あれから二時間。
さっきとは打って変わって
静かな、和也君のおうち。
準備があるから、仕事だから、
ということで、
皆さんお昼を食べて退散されました。
「こんなに広かったんですね」
「ね」
後片付けをしながら和也君が言った。
後二時間で、和也君と別れないといけない。
二人だけでいられる
大切な時間。
「あおさん、冷たいです」
「え!?」
使ったお皿を洗っていると
また和也君が抱きついてきた。
暖かくて、安心する、
この気持ちはなんでしょう。
「ねぇ、あおさん」
「なんですか」
「やっと二人きりになれたのに」
「・・・」