第16章 残された者
sideーサスケー
俺は、上下黒の服に身を包んで葬式に参列していた。
ルミが死んだ何て信じられなかった。
父の自殺に道連れになったルミ。
ルミは俺の一つ歳上でたまに一緒に修行をしたりしていた。
俺からみたあの二人は仲のいい親子だった。
それが、こんなことになるなんて誰が考えるだろう。
死体は、あまりにも状態が酷かったせいで棺桶はからだった。
ルミの父、シスイさんは両目がなかったらしい。
ルミにいたっては、術でほぼ燃えてしまっていたと聞いた。
写輪眼の秘密を守る為にシスイさんがとった対策だろうと思われていた。
『ルミ…。』
俺は花を祭壇におき呟いた。
年が近いせいかいつも素直になれなかったが、兄さんと同じくらい大好きだった。
まぶたを閉じれば、あいつの笑顔が浮かんでくる。
兄さんに額を小突かれ、何故か喜んでいる顔。
俺に納豆を食べさせようとしてにやにや近づいてくるときのしまりのない顔。
様々なあいつの顔がよぎって瞼が熱くなった。
こぼれる涙を押さえることは出来ず、俺は兄さんにしがみついて涙を流した。