第35章 共闘
『……そう?でも、泣くなら止めといたほうがいいんじゃない?
後悔するかもよ?』
私がそう言うと大蛇丸が笑った。
「……さっきも猿飛先生に言ったけど、あくびをしただけよ……」
そう言って涙を拭う。
『……スポコン漫画のキャラの言い訳か!
心の汗とかと同じレベルだぞそれ……』
私はため息をついた。
『……心が子供のまま成長止めちゃったって訳ね……
そして、ただいま反抗期真っ只中と……』
私がそう言うと大蛇丸が顔を歪めた。
「……面白いこと言うじゃない、流君……
いえ、うちはルミちゃんだったかしら?」
大蛇丸はそう言うと嫌な笑みを浮かべる。
『……なるほど、もう名前まで調べたんだ?』
私がそう言うと大蛇丸はニヤリとする。
それは肯定を表していた。
「……でも、話しはここまで。
ワタシは先生を殺さなきゃいけないの。」
大蛇丸がそう言うと、三代目と大蛇丸が距離を取った。
三代目が印を結び手裏剣影分身で大蛇丸を攻撃する。
大蛇丸は印を組むと、口寄せをしてそれを防いだ。
二つの柩が口寄せされ、初代火影と二代目火影が姿を表した。
私は、それを少し離れて見ていた。
まだ手を出してはいけない。
私は、二人の戦いを見つめていた。
そして、その時はきた。
「屍鬼封尽!!」
大蛇丸を押さえた三代目が血を吐きながら術を試行した。
だが、大蛇丸の腕を負傷させただけで三代目は力尽きた。
それを見た私は三代目に駆け寄る。
「……くっ、ルミちゃん、貴女がいたことを忘れていたわ……」
大蛇丸は腕の痛みに顔を歪めながら言う。
印も結べない状況で戦うのは不利だと思ったのだろう。
だが、私は大蛇丸を見ると、結界の一部を解いた。
『……早く立ち去らなくていいの?
結界、全部解いちゃうよ?』
私がそう言うと、大蛇丸は驚いた顔をした後、何も言わずに結界から出て姿を消した。
『……さて、こここからが本番か……』
私はかろうじて息をしている三代目をみた。
戦いは終わったが、まだ結界はとかない。
私は大きく息をすると、チャクラを込めて歌いだした。
五大性質を全て同時に練り、歌にのせる。
歌遁は比喩を使って歌うほど効力を増し、長い歌にするほどチャクラの消費量が少なくて済む。