第32章 中忍試験~第三試験予選~
我愛羅とリーの試合は、原作通りに進んだ。
そう、原作通りに進んでしまったのだ。
丸くなったと思っていた我愛羅は、原作通り、リーの身体の骨を粉々にした。
『我愛羅!!』
私は叫ぶと、瞬身で我愛羅のもとへ降り立ち、抱き締めた。
「もう勝負はついてるってばね……」
私と同じように、メンマも我愛羅を抱き締めていた。
前後から私たちに挟まれて、我愛羅が動きを止めた。
「でも、あいつはお前たちをバカにした!
……メンマを泣かせた!」
我愛羅がそう言うとリーをにらんだ。
どうやら、我愛羅にとって、私たちはそれほどまでに大切な意味になっていたようだ。
『ありがとう、我愛羅……
でもね、私たちは、我愛羅がこれ以上彼を傷つけるのを見たくない。』
私がそう言うとメンマも頷いた。
「……分かった。」
我愛羅がそう言うのを聞いて、私たちは我愛羅から離れた。
ハヤテがコールすると、医療班がリーに駆け寄った。
私はメンマに我愛羅をまかせると、二階へ戻った。
「ありがとう、君が止めてくれなかったらどうなっていたか……」
二階へ戻ってきた私にガイが頭を下げてきた。
私は、首を横に振ると7班の元へ向かった。
先ほどの試合で静まり返った中、掲示板最後の名前を表示した。