第11章 やさしさ。
side灰羽
意識を失った梢から、果てた肉棒を抜く。
「また…か。」
背中の中心に残る赤い痕。
俺が”つけた覚えのない”真っ赤な痕。
俺が一昨日つけたものより色濃く残る”それ”を見つけた瞬間、一気に頭に血が上った。
俺が優しくしてるから?
優しいだけじゃ…だめ?
どうしたら俺のものになる。
そう考え、気づいたときには梢を貫いていた。
隣で笑っていてほしい…
ただそれだけなんだけどな…
俺は背中に残るやけに赤い痕に口付けると俺のものだと主張するように重ねて吸いついた。
それに反応して梢の体はびくりと震える。
唇を離せば、先ほどより濃い赫が梢の背中に咲く。
「ねえ、梢…梢はどうすれば俺から逃げていかない?」
俺は、そう、寝ている背中に問いかけた。