第4章 夏の思い出
「へぇー。アリスは最近ここに来たんだ」
アリスが遠いところから最近来たことを知った俺は、外国から来たんだろうな、と考えていた
「そうなの。だからここのことあんまり知らないから、いろいろ教えて?」
それから俺たちは毎日会って、この町が自然豊かなことや、釣りの穴場、俺の秘密基地など、さまざまなことを教えたり、連れて行ったりした
ちょうど夏休みだったから、時間はいっぱいあった
「釣りって結構時間かかるね」
アリスは、暑いからか、額に汗を浮かべながら、池を見つめていた
「そうか?ここ、結構釣れるんだけどなぁ。まぁ、釣は気長に待つのが、基本だから」
「そうなんだ。」
日焼けを気にしているのか、大きな麦わら帽子を被ったアリスはものすごく可愛かった
「ここが俺の秘密基地!って言っても、星を見るのが、ここが一番いいからってだけで、他は大したことないんだけど」
大きな木に板をはりめぐらせて作った秘密基地。
俺以外の人がいるっていうのは、なかなかドキドキした。
今まで、同じクラスの友達にさえ教えなかった場所。
アリスはキラキラした笑顔で俺の秘密基地を見ていた。
「確かに、眺めがいいね!」
「中学生のくせに秘密基地って子供っぽいかな」
思わず、自嘲したような言葉が出てしまった
そうだ、と言われてもしょうがないかな、とあのときは考えていた
「そんなことない。みんな何かしら秘密の場所ってあると思うよ。いいなぁ、私も秘密基地欲しい…」
「じゃあ、今日から俺達の秘密基地ってのはだめ…?」
「っ⁉いいの?」
「もちろん」
あの秘密基地が俺だけのものでなくなるなんて、それまで全く考えたこと、無かったな
「そうだ。来週、流星群が見えるんだって。その日、ここに来て一緒に見ない?」
「見る!」
そのあと、俺達は指切りをした、少し子供っぽい約束の仕方はなぜだか俺の胸を高鳴らせたのを覚えてる